テスラがバブルだとしても…『ウォール街のランダム・ウォーカー』レビュー②

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こんにちは。大島です。30代前半の会社員をやっており、2021年より、バリスタFIRE実現に向け取り組んでいます。

最近の米国株、特にテスラの絶好調ぶりはすごいですね!

トヨタの時価総額を抜いた1年以上前ですら、すでに高すぎだろという声も沢山きこえましたが、さらにそこから何倍にも上昇しています。

実は…私の個人的な意見では、現在の株価はバブルだと思っています。

理由は、前提として株価は長期的には企業の将来の稼ぎの現在価値に収れんすると思っていること、テスラの現状のビジネスモデルでは、現在の株価に見合うようなレベルで稼ぐことは難しいと考えていることがあります。

大島
大島

さすがに、トヨタを大幅に上回る時価総額はいきすぎなんじゃ・・・

ただし、これはあくまで一つの意見で、他にも様々な考えがあること、そもそも現在進行形でバブルか否かを正確に判断することは不可能であると思います。

それで今回は、最近購入したインデックス投資家のバイブル的な本である『ウォール街のランダム・ウォーカー』を参考にしながら、バブルのメカニズムの考え方やその中で市場参加者はどのような行動をするのか考えたいと思います。

本記事はテスラをバブルだと決めつける趣旨のものではなく、あくまでテスラを題材にバブルについて考えてみたという趣旨ですのでその点ご了承ください。

結論

「群衆思考」によりバブルが形成させる可能性がある。
そして、バブルにおいてはバブルだとわかったうえでバブルに便乗する参加者もいるため注意が必要。

バブル発生のメカニズム

まず、そもそもバブルとは何故発生するのか、そのメカニズムについて確認してみます。

『ウォール街のランダム・ウォーカー』 には以下の記載があります。

行動ファイナンス学派によれば、市場株価は実にあやふやなもので、株価が過剰反応することは例外的なことではなく、むしろいつもそうなのだ。・・・彼らによれば、投資家の非合理的な行動をもたらすのは、(1)自身過剰、(2)偏った判断、(3)群れの心理、(4)損失回避願望、の四つの要因なのだ。

『ウォール街のランダム・ウォーカー』 第12版 第10章 P287

人々は必ずしも合理的ではない行動を行うという前提のもと分析を行うものが、行動経済学であり、行動ファイナンスであると理解していますが、彼らの考えではいくつかの要因により投資家は非合理的な行動を行います。

特にバブルのメカニズムと関連性が強いものとしては『群れの心理』が挙げられると思います。

群衆行動の研究対象として最も代表的な現象と考えられているものに、「集団思考」と呼ばれるものがある。これは個々人が集団で行動することによって、ある間違った考え方が訂正されるどころか増幅されて、あたかも正しい考え方であるかのように広く共有される現象を指す。

『ウォール街のランダム・ウォーカー』 第12版 第10章 P298

投資という文脈で考えると、仮に本来価値の低い株であっても、「集団思考」によりこの株は価値が高いという間違った考えが増幅し、それが株価を上昇させる要因になりうるということかと思います。

要するにみんなが買ってるから良い銘柄でしょと考える人が出てきて、それをみて、周りの人も買いだ、買いだと、どんどん人が集まって来るイメージかと思います。

一方で、そんな中冷静沈着に状況を見極める合理的な人も存在すると考えられます。

彼らは、現在の株価は「集団思考」に乗せられた割高なものと見抜き、裁定取引(空売り等)を行うことで株価を本来あるべき価格に戻す役割を果たすことが期待されます。

ただし、実際のところは、必ずしもそうなるとは限りません。

ヘッジファンドという最もレベルの高い投機的機関投資家が、バブルの局面で行き過ぎた株価形成を修正する働きを全くしていなかったことがわかったのだ。実際にはヘッジファンドは、行き過ぎにつけ込んでバブルをつぶすのではなく、むしろそれを増幅する形でバブルに便乗していた

『ウォール街のランダム・ウォーカー』 第12版 第10章 P311

このように、「集団思考」に乗せられていないプレイヤーも必ずしもバブルをつぶすことはせず、便乗することにうまみが生じる場合もあります(もちろん、そもそも裁定取引を行うことの難しさも背景にありますが、その点はここでは割愛しますので、詳しくは本書をお読みください)。

同じ行動をとっているように見えて・・・

ここまでの内容の通り、仮に同じように上昇市場に乗っかっている市場参加者がいたとしても、

  1. その株の価値を信じている人
  2. バブルだと思いつつ、便乗している人

この2種類のプレイヤーが混ざっているのだと思います。

そして、2番目のプレイヤーの仮面が剥がれるのは、まさにバブル崩壊の予兆をとらえたとき。

一目散にポジションをしまって、退避するわけです。

彼らは、最初からバブルだと(あるいはその可能性があると)認識しており、そして情報取得の早さ、退避するスピードに長けています。

正直、時差もある日本の個人投資家では、正直分が悪いと思わざる得ないです。。

もちろん当然にテスラがバブルではない可能性もある

これまで、テスラを題材にしつつバブルについて論じてきましたが、当然、テスラの株価は本物で今後も上昇を続ける可能性も当然にあると思います。

重要なことは、客観的な根拠に基づき自らの投資方針を定めたうえで、それに対し整合的な行動をとるということかと思います。

まぁ、それが難しいんですけどね笑(自戒を込めて)


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